【金箔】美しさについての考えかた

加山は彼の著書のなかで西欧の絵画や銅版画のマテリアルへのアプローチを「錬金術的」という言葉で表現しております。鉱石や金属を別のものに変質させることで生み出す美。

加山が見いだした東洋、日本の美というのは、とりわけ日常の中にあるものや、生活のなかに自然に取り入れられる、美しさであったように思います。

西欧では金を大量に造り装飾を行わんがために錬金術が研究され、一方日本では手元にある金を限りなく伸ばしていくことにより、少量の金で多くのものを装飾する技術を得た。

加山は20代から30代半ばにかけて、錬金術的な美のあり方に関心を持ちつつも、その対極にある日本の美を研究していました。

加山の金に対する想い、東洋的な美の感覚については小学館刊行の『無限の空間』に収録されています。

無限の空間

無限の空間